3.セラピストの起業ビジョンと戦略

介護保険制度が2000年に始まり、措置から契約に制度は変わった中で、国民は主体的に事業所を選択し、介護サービスを受けられるようになりました。3年ごとに改正される制度や地域における介護保険計画により、その状況も様変わりしてきています。 今年度の報酬改定の中では、通所事業所における大規模減算の見直し、通所介護における機能訓練加算の評価、短時間通所リハビリの制度化など、私達に関連するサービスに対しても、徐々に変化を見せています。次期の介護保険制度改正では、医療保険との同時改定も予測され、さらに変化のスピードは加速することが予測されます。 今後、平均在院日数が短縮化し、在宅ケアに移行するタイミングが早くなるだけでなく、在宅ケアを必要とするケースが急激に増大することが予測されます。 在宅ケアのフィールドにおいてセラピストが、「起業」という形で社会貢献できるチャンスは、広がりを見せると考えられるなかで、セラピストらしい事業展開とは何かを、いかに表出できるかが、今後の起業ビジョンには、重要なポイントになると考えます。 さらに、今後の社会保障費の膨張を考えた時に、予防という視点からの取り組みも、重要なサービスとなると考えられます。国民は、セラピストの専門性を取り入れた様々なチャレンジを求め、更に健康というニーズに対する我々の介入にも期待をいただいている事が既に起業しサービス提供を行う事業者の実績からも容易に理解することができます。
一方、一般高齢者や子供たちに向けた発達支援等、健康に視点を置いた自費でのサービス提供を実施した場合、法律に左右されない自由度の高いサービス提供が可能であり、利用者の多様なニーズに対して私達の専門性を活かしたサービス提供が可能性となります。自費サービスの提供手法については、様々な取り組みが展開されているのも事実で、保険に頼らない起業の形も、起業戦略には必要な方向性のひとつです。 次期同時改定に向け、訪問リハビリステーションの制度化に向けた、様々な取り組みがなされていますが、それがセラピストの起業の全てでないことも認識すべき点です。これが制度化されたとしても、安易に「起業」のカタチとしてとらえる事は危険であり、あくまで私達セラピストの強みをどのように地域ケアに活かせるかのひとつのステップでしかない事を認識する必要があります。
また、2015年には団塊の世代の方達が全て65歳以上になられ、私達に求められるニーズはより一層多様化するとともに、国民からはより効果的で質の高いサービスの提供が求められる事は間違いありません。

© 全国在宅リハビリテーションを考える会 Archives