2000年介護保険が導入された事をきっかけとして、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士(以下POSと略す)が公的保険サービスを基軸とした地域リハビリテーション供給拠点(訪問・通所等)の経営に乗り出し始めました。
この頃には、POSの経営者は、まだ全国でも20人程度で、それぞれの地で、それぞれの考え方に基づきサービスを提供していました。当時、各事業者に共通していたのは「訪問看護ステーション」を事業として取り入れていたという事でした。
看護サービスを訪問で提供することを目的として、介護保険創設以前より医療保険の枠組みの中で看護協会が肝いりで獲得した仕組みと制度でした。
介護保険創設以降、訪問看護ステーション拡大の過程において、POSもそのステーションの一員として訪問看護7というサービスの中で在宅障害者に対するリハビリテーション供給が可能となりました。
しかし、平成18年春に「訪問看護ステーションからの訪問看護7サービスはあくまで看護サービスの一環である」旨が強調され、リハビリを中心に必要とされている利用者であっても、POSによる訪問1回に対して、看護師による訪問が必ず1回必要であるという1:1規定が発表されました。
この規定の本当の国側の意図は未だに定かではありません。しかし、確実に全国のPOSによる訪問サービスを必要とされている方々に強い悪影響を及ぼし、私達療法士の起業者達にも強い不安を与えたことだけは事実でした。
そんな中で、当時、上場企業で活躍されていた理学療法士 森本榮先生が旗振り役となっていただき、POSの経営者達とともに、これからの将来に向けた取り組みをどのように考えるべきか、どのように地域貢献に取り組んでいくべきか、いかに自分たちの専門性を事業として活かしていけるのか・・・そのためには今何をなすべきかを議論する機会を、当時事業家として頑張っておられたPOS経営者に集まっていただき話し合う事ができたのです。
その内容は、それまでのセラピスト経営者達のたくさんの努力の結晶でした。血と汗と涙の結晶でした。あきらかに私達の専門性の結晶でした。これまでの訪問看護ステーションに大きく依存した経営ではなく、広く自らの専門性を活かした事業に向けての話し合いの始まりとなりました。きっと国民は私達のこの努力を受け取ってくれるだろうとの自信を持つことができました。
以後重ねて定例会を持ち、現在14回(平成21年12月末日現在、1年に3回の定例集会を開催)を数えるまでに至りました。
時にはキズのなめ合い、時には叱咤激励、時には貴重な取り組みを情報交換する場として、着々と療法士の起業家の総合支援の受け皿として育ちつつあります。これからはリハビリテーションの専門家である私達が起業し国民、地域住民の信頼を獲得できるような王道たる事業拠点支援に本会が微力ながら力添えができればと様々な角度からその実現に取り組み始めています。
本会に所属される法人、経営者の皆さん、さらにはこれから起業を志す方々にとって、地域に本当に求められる事業家として評価されるよう、時には厳しく、時には力強くリーダーシップを発揮できるような会として努力してまいります。POS私達の専門性とは・・・これを大切にしたい。これにこだわりたい。今私達に何ができるのか。私達はいったい何ができる人材なのか。真剣に考えなければならない時代が来ています。専門性を基軸とした地域貢献を私達自らの手で育み進めていきましょう。自らの手で起業を推し進めること、簡単ではありません。専門職としても、経営者として・・・軸のぶれない王道を歩むことが大切です。だから情報を共有しましょう。だから知恵を出し合いましょう。だから仲間づくりをしましょう。
POSの各協会、士会さらには連盟や議連、関係各団体とも意見を交わしながら、私達の思いを発信し続けています。そんな「NPO全国在宅リハビリテーションを考える会」の思いは、国の中央にまで届くようになり始めました。
包括的な在宅リハビリテーションサービスと健康支援サービス提供事業者として、そのビジョンを掲げ、本物の奥深さを探り、挑んでいきたいと強く思っております。是非一度定例集会にお越しください。
平成22年1月1日
理事長 塩中 雅博
