理事長ご挨拶

当会は、全国の在宅リハビリテーションに関わる事業者及び専門職に対し、科学的且つ適正な医療・介護・福祉の普及・啓発・支援に関する事業を行い、国民が安心して暮らせる地域づくりに寄与することを目的として、設立されました。

当会会員は、とりわけ在宅リハビリテーションに関わる起業セラピストが主体です。2006年、当会の発足当初、セラピストが起業している会社は100社程度でした。2014年現在、セラピストが起業している会社は推計600社を超えてきました。また、それぞれの法人が取り組まれている事業においても、様々に発展的に拡がり、訪問看護や通所介護などの訪問・通い事業から短期入所やサービス付き高齢者住宅などの泊りや住まい事業、地域支援事業や健康惣菜屋などの介護予防・健康づくり事業、カフェなどのコミュニティ事業、リハビリテーション研修会企画及び出版などのリハビリテーション関連事業など、様々な業態の中でセラピストとしての専門性が生かされるようになってきました。

このような拡がりの一方で、会社としてのモラルやコンプライアンスは大丈夫か?セラピストが提供するサービスの質は大丈夫か?会社の経営に課題はないのか?制度リスクにどのように対応したら良いのか?当会では、このような起業セラピストが抱える課題や社会的課題に対して真摯に向き合い、現状をしっかりと検証し、在宅リハビリテーションの在り方を議論しています。そして、在宅リハビリテーションサービスを必要とする方、さらには広く国民に対して良質なサービスを全国津々浦々まで届けることが社会的責任だと考えます。そのために、起業セラピストの会社や運営事業が、社会的に信用され、地域壱番館として継続して事業を続けていく必要があります。

当会は、これまでに会員が行ってきたサービスの検証作業や会員の意見などをグループワークなどで集約し、公益社団法人日本理学療法士協会、一般社団法人日本作業療法士協会、一般社団法人日本言語聴覚士協会などの職能団体と連携し、他団体や厚生労働省に対して、国民本位の理想的な在宅リハビリテーションの在り方を提示してきました。このような取り組み中で、当会は社会的に信用される会へと発展してきました。このような活動はしっかりと継続しながら、しかもこれまで以上により力強い活動ができるよう組織率の向上を図ってまいります。

地域包括ケアシステムの構築に向けた2015年からの3年間、そしてそれから2050年迄の間、国民にとっても、会員にとっても、何かと多難な時代となります。しかし、第一義的には、やはり国民にとって在宅リハビリテーションシステムはどうあるべきか?ということです。当会は、「必要な人に、必要な時に、必要な分だけ、リハビリテーションを届ける。」、その王道を真っ直ぐに推し進めてまいります。

平成26年12月7日
理事長 安倍 浩之
理事長:安倍浩之

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